Law & Order 1-10 Prisoner of Love 「愛の虜」

 
ラチェッド婦長とナチスにかまけているうち6月も終わり近くになってしまった。7月1日からは Law & Order がスパドラでシーズン1から再放送。2話連続の帯放送だからあっという間に終わってしまいそうです。皆さま録画の準備はよろしいでしょうか?なんていっても、一挙放送も含めると去年からもう3回くらい再放送してるから、ベン・ストーンのファンはもうHDにもBDにも全部録画したわよ!という人ばかりかもしれないですね。

それよりも初期シーズンを見ていないカッター・ファンや吹替え派や、スピンオフを見ていた人が何気なくチャンネルを合わせて、何だこの変な検事キャラは!と興味を持ってくれると嬉しいなぁと思ってます。

2話連続の帯放送なので、最初の1週間で10話いってしまいます。この最初の10エピソードは、特に内容が濃くて面白いエピソードが集中していると思います。「冤罪」とか、「親失格」とか。

そしてこれが10エピソード目。ここのところ「ストーンはひそかに女性に支配されたがっている」という仮説(妄想)に従って話をしてきたので、今度もその線で見てみようと思います。ベン・ストーンが対峙した支配的な女性は何人かいますが、その中でもこのエピソードのミス・ヘンドリックはそのまんまドミナトリクス(いわゆる、サドの女王様)でありました。

SMプレイ中の事故と思われる状況で1人が死亡。物証は少なく密室のできごとで直接証人も当事者以外なし。

ところで、マゾ男の担当である「エリカ」という名前の弁護士は以前、検事補だったらしいです。ストーンの下について数か月ともたなかった補佐たちの一人でしょうか?罪状認否の後、裁判所の廊下でストーンと二人、女王様との対決の前哨戦のようにやりあいます。高い保釈金に抗議する彼女に「うちでしごいた成果だな」とか、嫌味なオヤジですねー(笑) 

証拠が足りないし弁護士は非協力的だしで、容疑者たちの電話を盗聴する。「あのバカ弁護士と話さないで」という女王様の言葉を聞き、うへぇ、という顔で笑っているストーン。なんか嬉しそうです。

精神科医に話を聞きにいき、ドミナトリクスの行動原理について質問する。なるほど、こういう女をどうやって扱えばいいか知りたいわけか。こういう調査は普通ならロビネットの担当なんだけどね。

物証が上がってきて、奴隷男と取引して女王様を落とそうという作戦になる。ストーン、被告が取引に乗ってこないと突然豹変して「起訴を決めるのは私だ。きみの依頼人など叩き潰してやる」と居丈高に。女王様が乗り移ったか?エリカは強気だけど、マゾ男は簡単に落ちる。過失致死で取引。

女王様の邸宅を捜索。ここで初めて直接対決です。革服とか手錠とか出てきますが、これじゃ証拠にならない。大陪審にかける。奴隷男、女王様に命令されたと証言する。

ストーン、「証言台に立たせられれば勝てる」と強気で女王様に会いに行く。笑みを浮かべながら大陪審が怖い?と挑発、彼女がまんまと乗ってくると、「ありがとう」と真摯に感謝する。

屋敷を出て歩きながらロビネットと会話しているときも、「彼女がいかに自分を支配したがっているか」についてなんだか楽しそうに喋ってます。

She has to engage me. If she doesn't, it will make her look weak.
彼女は私と対決するしかないんだ。そうしないと自分が弱く見えるからな。

(ロビネットが「今回はだいぶん無理がありますけどね」という意味のことをいう)

She wants to dominate me. I'm gonna give her the chance.
あの女は私のことを支配したがってる。やらせてみるさ。

強い反発、「やれるもんならやってみろ」という子供みたいな強がりの底に、どうも期待とか居心地良さがひそんでいる感じがするんですが・・・妄想ですねぇ。

検察の作戦は、彼女のこの支配傾向を利用して大陪審に引っぱり出してひっかける、というもの。しかし証言の効果のほどは不明。ここから話はぱたぱたと進んであっけなく終わります。彼女が奴隷を脅して証言をひるがえさせる。奴隷男は自殺、彼が遺した写真が出てきて女王様逮捕、という結末。最後のカットでは、ストーンは勝利に満足したように冷たく微笑んでいます。しかし、対決していたときほど生き生きと嬉しそうにはしていないような気がする。これも妄想だけど。


字幕でちょっと不思議なところ。女王様の家宅捜索で、錠のかかったたんすを開けるようにストーンが要求する場面があります。彼女はストーンに鍵を渡しながら "That's my hope chest," という。ホープ・チェストって、若い女性が結婚する日を夢見てドレスなどをしまっておくものらしいです。ところが蓋を開けてみると中身は革服と鎖、ストーンはそれを見て "What were you hoping for?" と呆れてます。ここ、「嫁入り道具よ」 「どこへ嫁入るつもりだったんだ」 くらいの訳でいいんじゃないかと思うんだけど、もっと無難な字幕になっておりました。うーん、笑えるところなのにもったいない〜