"Murder, She Wrote"

 
ベン・ストーン降板騒動のトリビアです。この事件のそもそもの起こり、つまり1993年に司法省が暴力的なテレビ番組を規制しようとしたとき、名指しで非難されたドラマが二つあり、Law & Order ともう一つがこの Murder, She Wrote (“殺人、と彼女は書いた”)でした。

この作品、私は見たことなくて、邦題すら知りませんでした。(海外ドラマに詳しい人は常識なのかもしれないけどね。)だから、もしかしたらこっちの方がL&Oよりずっと暴力と殺人満載な作品なのかなと思ってたり。

だけど最近知ったところによると、その邦題は・・・・・『ジェシカおばさんの事件簿』。

わ、わははははー。どう考えても暴力的じゃなさそう。

でも実際に見るまではわからないぞ。だって、ジェシカおばさんというキャラが猟奇連続殺人者という可能性だってあるしね。

で、見てみましたよ。IMDbによると、ちょうど今日の放送分にジェリー・オーバックが出るとなってたので。まず主役のジェシカ登場。彼女はミステリー作家なんですね。だからお得意の推理で事件を解決すると。シリアルキラーじゃなかった(当たり前だ・・・笑)

わりと簡単に人が何人も殺されますが、死体はたんすから転がり出てきたり、あらかじめ床に横たわっていたりするだけ。殺人シーンなし。全体の演出もコミカルで軽くて、女性向けの『コロンボ』、またはアメリカ版『ミス・マープル』といった感じ。

きょうの話は女優の死をめぐるミステリーでした。麻薬疑惑とか、政治家との恋愛スキャンダルとか、赤い表紙の日記が行方不明になるとか、そのまんまマリリン・モンローがモデルです。お、ゲストにカレン・ブラックも登場。豪華だわー。

ジェリー・オーバックの役は準レギュラー、おちゃめな小悪党の私立探偵といったところ。ジェシカをこっそり出し抜いたりしつつ、結局は彼女に頭が上がらなくて「俺たちいい相棒だよな」なんて言う、憎めないキャラ。ルックスはブリスコーより大分若いけど口が減らないところがちょっと似てます。

唯一の暴力シーンは、ジェシカを誘拐しようとした弱そうな弁護士をオーバックの探偵ハリーが撃退するところ。しかもパンチを失敗して拳を痛めるというオチつき。

こんなに毒のない話を暴力的とするなんて・・・・・ 司法省の誰も、どっちの番組も見ていなかったのは明らかだわ。やっぱり、弾圧には何か別の意図があったんだろうなぁ。ストーンにはまってかれこれ一年になるというのに、今更ながら納得です。もっと早く調べてたら、リノ長官の主張がどれくらい的外れで、ほとんどジョークみたいなものだったか分かったのに。なんだか脱力です〜(笑)