『ザ・スタッフ』

今日帰ってきましたら、
ラリー・コーエン監督、マイケル・モリアーティ主演のホラー・コメディの一枚目『ザ・スタッフ』が届いてました!

時間があったのでちょっとだけ… と思って観だしたら止まらなくなった。
スクリーンの前で身をよじりながら爆笑するはめに…

もぉーーーーーB級。はてしなくB級。でもってぶっ飛んだストーリー。
異様に凝ったところと超チープな演出が入り乱れ。
モリアーティは自分の好きなよーーーーーうに演じてるし。
私の中のストーンのイメージがよじれまくりです。

主人公はモー・ラザフォード、FBIをクビになった産業スパイ。滅茶苦茶うさんくさいキャラ。
スーツの下に何故かカウボーイブーツ履いてるし。
彼が何をするかというと、突然、市場を席巻しだした「ザ・スタッフ」というデザート(ヨーグルトかジェラートみたいなの)の企業秘密を盗むために雇われるの。

この商品「ザ・スタッフ」のコマーシャルが何種類も流れます。
これが凝ってて、80年代初頭テイストの曲流れまくりでゴキゲン(『フェーム』みたいな感じ!)。ロゴとパッケージもファンキー。
本編よりカッコよくて力はいってます。

で、予測通り(なのか?)これが異星の生命体で、食べた人間を乗っ取るわけですね。
モーは広告代理店から調査を始め、「ザ・スタッフ」担当の美女を籠絡。
二人がモーテルで寝ていると「それ」に襲われる。
でも白いヨーグルト状物体がでろ〜んと流れてくるだけなんで迫力ゼロです。
あれを相手に恐怖におびえたり、格闘(!)したりできる俳優ってすごい。

ま、現代の人間なら誰しも自分の口にするものに何かしら疑念を抱いているわけで、それを具現化してるんですが、
そんな理屈づけを許さないくらいムチャなストーリー展開と特撮です。
いよいよクライマックスに近づいても、頭の中、クエスチョンマークだらけ。

「ザ・スタッフ」の本拠地をつきとめ、美女と乗り込むモー。
ハイジャックしたタンクローリーで走ってるととつぜん行く手に現れる古城(なんでジョージアに城?)
そこに住んでいるのはスピアーズ大佐なる人物(どこの軍隊よ?)
モーがちょっと脅しただけで(ここ、ストーン・モード)、手下を率いて「ザ・スタッフ」工場へ攻め入ることに同意。
んで、スピアーズ大佐役がポール・ソルビーノだったりして、セレッタ&ストーンで侵攻作戦開始です。
セレッタかっこいい。
でもみんなの持ってる銃がちゃっちい!軽そう!

ここでモーから唐突に哲学的なセリフ。

その銃で気に入らないものは何でも撃てると思うか?
だが自分の中にあるものが気に入らなかったらどうする?
撃てないだろ?
 
い、いや、そんなこと急に言われても、って顔の兵士たち。

もちろん「ザ・スタッフ」に中から乗っ取られることを言ってるんだけど、この台詞、あきらかにアフレコぽくて浮いてます。
モリアーティのその後を思って、ここだけちょっとしんみりしちゃいました。

最後は工場を破壊し、美女は国民を惑わせたことをテレビで謝罪してめでたし、と思いきや、「ザ・スタッフ」はドラッグと同じく闇で流通しつづける… というブラックな感じでエンドでした。

いやーーーーーーーー。
これ、好きだわ私。。。。。
15年前だったら受けつけなかったかもしれないけど、今はいける。
『空の大怪獣Q』が届くの待ちきれません。



追記:あとでパッケージをよく見たら、「名作映画500円」のシールが・・・いや、500円なのはありがたいけど、め、名作?「このジャンルでは名作」って、たしかにそうですけどね・・・ コンビニの棚やスーパーのワゴンで『アラビアのロレンス』や『第三の男』と並んでるんですかね、この作品・・・