テネシー・ウィリアムズ回想録
最近の投稿記事にモリアーティ氏が自分で書いていた、若いころに演出家エリア・カザン、アクターズ・スタジオの指導者ステラ・アドラー、劇作家テネシー・ウィリアムズに高く評価されたという話です。
カザンはジョニー・カースン・ショーに出演したときに、私のことを「もっとも強い印象を受けた新進俳優の一人」と称賛した。もう一人はロバート・デニーロだった。
ステラは雑誌ピープルで、「英語圏の舞台で最高の俳優の一人」と。
テネシー・ウィリアムズは自伝で、好きな俳優の一人に私をあげている。
このうちテネシー・ウィリアムズの自伝はむかし読んだことがあったはずなんです。もちろん当時はモリアーティのことを知るよしもなく、赤裸々なホモ話に衝撃をうけただけでしたが。今回もういちど中古で手に入れてみたら、おおやっぱり、二か所にモリアーティの名前が出ているではありませんか。
『テネシー・ウィリアムズ回想録』白水社刊、鳴海四郎訳。なお、この下の引用部分は鳴海訳をそのまま引いています。
まずはあるパーティでの話。ベテラン舞台女優が披露した歌のあとに、
マイクル・モリアーティも自分でピアノをひきながら歌った。若手の舞台俳優のなかでは、やっぱり彼がもっとも有望だと私は思っている・・・・・・
つぎは同じ章の最後の部分。自分が作品を書くときに配役を想定する(だけの実力がある)男優として、ドナルド・マデン、マーロン・ブランド、マイケル・ヨークの三人をあげています。じつは自分はマデンに惚れていたのだが、一緒に仕事をする俳優には手を出さないことにしていたので打ち明けはしなかった。今では恋情はおさまり、マデンを役者として深く尊敬している、という話のあと、
現在のところ、合衆国で彼にまさる俳優はいないと思う・・・・・・(いつかそのうちマイクル・モリアーティが彼と優劣をきそう日が来るかもしれない)
原作は1975年の出版ですから『ガラスの動物園』の1973年テレビ版(キャサリン・ヘプバーンとサム・ウォーターストン&マイケル・モリアーティが出演)より後です。この映像作品に言及しているところも一か所あります。
『ガラスの動物園』への起用は原作者の推薦もあったのかな・・・と思いました。彼が1970年代前半、舞台・映画・テレビのすべてで成功を約束された新人スターだったことはネットでは知ってましたが、こうして出版物に名前が出ているのをみるとまったく違ったリアリティを持って感じられるものですね。