Law & Order 6-20 Girlfriends  「裏の顔」

 
ジャック・マッコイ対ベン・ストーン(だったかもしれない人)が見られるというので期待してましたが、自分で煽っておいてすみません、このエピソード難しくて真相がわからなかった。素直にみれば、父親が娘をかばって多大な犠牲を払ったのに、甘やかされた娘は反省も感謝もしてない、という話なんでしょうが・・・もしやこの父娘、共謀してたのか?と下手な裏読みをしようとして、話についていけなくなった私です。

言い訳をしますと、ジェイムズ・ノートン演じる父親が無表情で底が知れず、どっちなのかわからない感じでした。のらりくらりして娘をかばうことしか考えていない父親に手を焼いたマッコイが、企業腐敗という目新しい業を繰り出すのがミソ。

被告弁護人が父親の立場を確認する面談。弁護側が主役のはずなのにすっかりマッコイの独壇場に。立ったままテーブルから乗り出し、次々と質問する。弁護人がうんざりしてても気にしません。ここ、マッコイ対ストーンを想像してにやにやしちゃいました。まったく挑発に乗らないストーン、いやタガート相手に欲求不満がつのるマッコイ(笑)

マッコイは娘が真犯人だと信じている。父親はそれを知ってるから殺人では起訴されないと踏んでいる、それはいい。だけどマッコイが簡単にあきらめるはずないし、手段を選ばない(いつだって選ばないですよね?)こともわかってるのに・・・と思ってると、娘に対する無罪評決の後、検察はあんのじょう報復に出ます。期待を裏切らない性格の悪さ・・・・・いや、あくなき正義の追及といいましょう(笑)

「父親の半分も家族思いなら面会にいくさ」というマッコイの嫌味、そして娘のそらぞらしい反応に初めて顔色を変える父親。だけど、娘は不敵な笑みを浮かべてる。この表情の意味は、「パパがあたしを愛してくれさえすればいいわ」?それとも「パパなんかどうだっていいのよ」?

ジェイムズ・ノートンは、感情を抑えて喋る印象があり、検事にすれば迫力ありそうな感じはしました。ポーカーフェイスで犯罪者を追い詰める、非情なキャラクターというところでしょうか。このエピソードでの役柄がちょっと不気味で腹が読めない人物だから、あんまり魅力的に見えなかったのは残念ですが。。。 ちなみに、L&Oクリミナル・インテント1-17での役柄も、裏で人をあやつる陰険な人物でした。この無表情さは、かえってコミカルな味つけにも使えそうな気がします。

特筆すべきところは声でしょうか。コメントにも書いた通り、いい声をしてますね。ただし声の質はモリアーティと対照的です。モリアーティのストーン声は頭のてっぺんから出るヘッドボイスだけど、ノートンの声は胸の深いところから響くチェストボイス。この声で最終弁論をやるところは聞いてみたい気がします。

そのほかは、ドクター・ロジャーズがいつのまにか赤毛になってたのと、マッコイがニットのネクタイしてたことくらいか。ネクタイ緩めフェチとしてはちと残念・・・だってあれ、襟元を引っ張ると「びよ〜ん」と伸びたりして、色気がないんだもん(笑)

ニットは楽なんでしょうけど、やっぱりシルクの布で一日中縛られてたのを夜になって「ちょっとだけ」って緩めるのがいいんですよ。って我ながらヘンタイだわ・・・こんなのはストーンにしか通用しない。マッコイは衣装よりも仕事で勝負ですよね。

 
[追記トリビア] ジェイムズ・ノートンでもう一つ見つけたのが、1987年の映画『ガラスの動物園』(ポール・ニューマン監督)でジム・オコナー役を演じているらしい。観てないけど、この人だとわりと正統的なジム(普通の青年で、女の子をちょっと誘惑してみたりもするけど深く関わらない)がはまりそう。モリアーティがジムを演じた1973年のテレビ版と比べてみたい気がします。