ベン・ストーン役決定裏話


Law & Order ベン・ストーン誕生の裏話として、マイケル・モリアーティの著作の話を以前の記事に書きましたが、今度はネット上のあるところでストーン役決定の内幕話みたいなのをみつけました。本人の著作と違ってどこまで正確な話なのかわからないものの、面白いので話のネタに。

それによると、Law & Order のプロデューサー達は、ベン・ストーン役として最初からマイケル・モリアーティに目をつけていたけれど、実はストーン役候補はもう一人いて、ジェイムズ・ノートンという俳優だったそうです。

そしてテレビ局はノートンを推していたが、番組制作側はモリアーティで一致していた。その理由がまたふるっていて、モリアーティは「すごくヘンな役者」だからというのです。

これを読んで、興味深く思うと同時に思わず笑っちゃいました。「ヘンな役者」というところがあまりに真実をついているし、しかもそれが褒め言葉というかポジティブに使われているところが嬉しかったので。

これ、具体的にどんなことを指してそう言ったのか気になります。それまでのキャリア(ラリー・コーエン作品とか?)のことなのか、演技スタイル、それとも人となり(俳優のくせに嘘がつけない、とか)、その全部なのか。

いずれにせよ、そのヘンなところがベン・ストーンという特異なキャラクターのベースになったのは間違いない。キャラクターの私生活を一切見せないドラマで、人物に深みを与え説得力を持たせる要素の一つだったと思います。皮肉なことに、それが彼が4年後に番組を去るときにも同じ効果を生むことになってしまうわけですが。

そして、このヘンな役者を使う決定が偶然でなくプロデューサーの意図したところだったのは面白いです。堅い役を得意としながら狂躁的な面を持つ役者に鬼検事の役を割り当て、さらにピーター・ジェニングズをミックスしてストーンを作ろうとした。もしかするとピーター・ジェニングズは中和剤というか副作用を抑える成分だったのかもしれないですねぇ。


ジェイムズ・ノートンという俳優さんについては私は知らなかったのですが、調べると古くは「猿の惑星」シリーズの宇宙飛行士役で売り出した実力派だそうです。最近だと「ゴシップ・ガール」に出てたり、映画「プラダを着た悪魔」にも出てたり。銀髪、細面で確かに検事役も似合いそうなルックスです。

それでですね、IMDbノートンのフィルモグラフィをさらに見ていますと、Law & Order にゲストで出た回があるのを見つけました。それもシーズン6、エピソード20 Girlfriends。6-20といえば来週月曜日放送分ではないですか!役名はバリー・タガート、どうやら事件関係者の父親のようです。

これは楽しみです。上の話が本当だとすると、この人はモリアーティほど「ヘンじゃなかった」ということです。では、もしこっちに決まってたらもっと「まともな」ベン・ストーンができあがってたのでしょうか。鬼検事のくせに妙な隙があったりしない、20年後に遠い日本で突っ込まれまくったりしない、まっとうな検事が(笑) そんなことを考えながら6-20を観るのも一興かと思います。