Law & Order 4-19 Sanctuary 「サンクチュアリ」

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「行かないで・・・」そう叫んじゃいました。最後のシーン。
ストーンなのかMMなのか知らないけど、二人のうちのどっちかはもう辞めるつもりなのがわかってしまった。。。

あうあう。来週は泣くだろうと思ってましたが、今日は不意打ちでした。まだ取り乱しててうまくまとめられません(普段からまとまってないって〜)。お許しを。


本題である人種差別・格差問題のシリアスさと、モリアーティ降板が近い時期のパーソナルな緊張感が絡み合っていて、心を揺さぶられたエピソードでした。またストーンの登場場面だけ抜き書きで。

今日の弁護士はシャンバラ・グリーン。言いたいことが言える相手で憎からず思っていたはずなのに、今回はお互い傷つけあうことになってしまいましたね。グリーンは主にストーンの政治姿勢を。ストーンは彼女の弁護方針を攻撃します。

シャンバラはなぜかストーンの若い頃をよく知ってます。
「60年代に公民権運動に参加したとか、ボビー(・ケネディ)の写真を壁に飾ってたっていうだけじゃ、もう通用しないのよ」
ストーンはそれに呼応するように反対尋問でミシシッピのリンチ事件を持ち出して制止される。

夜、寿司屋でまた議論の末、あなたのリベラリズムはファッションと言われ長口舌。
"I want someone to stand up in this country and say, 'I did it. I'm responsible for my actions, not my television set and not the color of my skin.' And if it makes you feel good to call me a racist, fine. But if you're really looking for who's responsible for racism these days, take a good look in the mirror."
「テレビのせい」ってここでもちらっと出てますね。このセリフ、モリアーティのアドリブ入ってるかも・・・

翌日。「覚えていないと」嘘をつく証言台の犯人に対し、突然、砕けた邪悪な態度になってワナを仕掛けるストーン。
"C'mon.. you wanted revenge, right?"

簡単に乗せられた犯人、ワルぶって答える。
"Damn straight I did."

ストーンますます邪悪に微笑して、
"So I guess there's something you remember about the attack after all.(目を細める) No more questions."

おきて破りはグリーンにも伝染。グリーン、自分が呼んだひき逃げ犯の証言でやりすぎて判事から叱責される。
しかし結局は審理無効に。ストーンはいつも通りまず怒り、立ち直って次を考え、そして疲れた顔をする。シャンバラ、やや後ろめたそう。

ストーンは再審の計画を立てようとするが、シフに止められる。怒って立ち上がったところで現実を見ろ、といわれ、最後のシーン。

"Reality? The reality is that no one is willing to stand up and draw a line in the sand. Nobody is willing to say that the law is the law, and if you break it you'll be prosecuted, win, lose or draw."

"Nobody except you, of course."

(右へ移動。右側から顔に当たる光が強くなる。)
"Adam, better to light a match than to curse the darkness."

"Beautiful, light the fuse and blow up the city."

"What do you want? Peace without justice?"

"I'm willing to straddle the fence so the city can heal. Can you understand that?"

"Yup. I understand it... and that cure is worse than the disease.
(まだ何か言いたそうにシフを見ながら、ドアの方へ歩く。お願い、行かないで・・・)

(ドアを開ける。Don't!

And it's a solution... that I just can't be a part of."
(ドアが閉まる。行ってしまった。彼はもう戻ってこない


「流行ってるときだけリベラルなふり」これはモリアーティにとっては痛いセリフだったかも。L&Oがそもそもはっきりとリベラル色を打ち出しているし、ニューヨークに住んでその主役を演じていれば本人も周りからリベラルと思われていたはず。でもこの時期は彼の極右への転向が始まっていて、「今まではいったい何だったの?」という反応がたくさんあったでしょう。グリーンのこの非難のセリフが、どんな意図があって書かれたのかはわからない。しかし、ストーンにはその後ちゃんと反論させてるから、少なくともアンフェアではない。

上に引用した中に、「誰も立ち上がらない」という意味のセリフが二回出てきます。司法省の横暴に対抗するようMMが呼びかけたときの反応がまさにこれでした。"Nobody except you" というシフの応答も含めて、これは彼の一番言いたいことでもあったでしょうね。

追記: 制作側と俳優が協力してストーンの退職に至る布石を演出したのがわかります。ここへ辿りつくまでのゴタゴタを昇華させて良い作品を作ろうとし、そして成功している。リィンさんの教えてくださった通り、作った側が誇りを持っているのも当然です。

シリーズ上のクライマックスはもちろん最終エピソードであるわけですが、このエピソードは、熱い思いのこもった長セリフといい、カメラに正面から顔を向けたまますっとドアから出ていってしまうドラマチックな退場の仕方といい、非公式なフィナーレであることは間違いないでしょう。私の中ではこのラストシーンがベストでほぼ決定です。まだ全部観てないけどね、前も後も。