Law & Order 2-8 Out of Control 「裏切り」

 
レイプ事件で敗訴したストーンが、裁判所の階段で被害者に謝るラストシーンがドラマチックなエピソードなんですが、その他に一つだけ気になる場面があります。

ベン・ストーンが・・・というかマイケル・モリアーティがカメラを見ている。『大韓航空機撃墜事件』やL&O 4-22「旧知の友」と同じ。ただこれだけは、なぜ見てるのかわからないし妙な感じで笑っているので、あまり嬉しい映像ではないです。

友愛会の学生を起訴することにした後のシーン、24分くらい。シフのオフィス。シフが真ん中に立っていて、それに後ろ姿のロビネットとストーンが向き合っている。

シフ      Where are you going with the alcohol problem?  
        アルコールの問題はどう扱うつもりだ? 

ビネット  She was legally drunk. No capacity to consent.
        彼女は泥酔状態で、合意できるような状態ではなかったと。

シフ      Legally drunk to drive. But appearances can be deceiving.
        飲酒運転ならそれで通る。だが見た目に騙されることもある。


ここでストーンが顔だけこちらに回して、横目でカメラを一瞥し、すぐに元に戻す。ちょっと半眼の皮肉っぽい目つき、口許には笑い。すごく気になる表情だけど、何が言いたかったのかまったくわからない。シフのセリフはまだ終わってなくて続いているのに。「見た目に騙される」に反応したのか?じゃあ騙されてるのは誰?騙してるのは?

それになぜカットされなかったのかも謎。3人のシーンで撮り直しできなかったのかもしれないが・・・もしそれを狙ってやってたのなら性質が悪いですねぇ。ディレクターは「やられた!」と叫んだかもしれない(笑)

他の場面ではずっと真顔のストーン。そして最後は真摯な謝罪が感動的な演技。なんだけど、この顔のおかげでどうも真面目に見られない。そう思うと原題 "Out of Control" も邦題『裏切り』も、なんだか意味深長に思えてくるエピソードです・・・