マイケル・モリアーティ・ムービー・マラソン

 
えー、今日は風邪をひいたみたいで手抜き、ひとのサイトの紹介です。

先日ある映画レビューサイトを見つけました。80年代のマイナー作品を、偏執的な(褒めてます)熱心さでレビューしてあります。その中にマイケル・モリアーティ・ムービー・マラソン(略してモリアーティソン)という特集があり、彼の作品を微に入り細に穿って解説してあります。『ザ・スタッフ』『空の大怪獣Q』『ブラッド・リンク』"Hitler Meets Christ"の4作品。このラインナップだけで只者じゃないと思わせます。なぜモリアーティをそんなに気に入っているのか知りませんが(筆者は男性)、どうやら「史上最強のオデコ」に少なからぬインスピレーションを受けているらしい。

たとえば『ブラッド・リンク』。放ったらかしの伏線・ストーリーの矛盾と破綻が満載のこの作品を、かゆいところに手が届くように突っ込みながら解説してくれるので悶絶ものです。

クレイグ・マニング(良い方のモリアーティ)が悪夢から目覚め、仕事に出かける場面。近所に住む手伝いのおばさんに行き会い、「洗濯物を放りっぱなしでごめん」と言って、いきなり彼女の頬にキスする。女優の驚いた反応からして、これは・・・

ああああまたモリアーティが台本にないことをやらかしてる!

とこんな調子で、基本的にシニカルなテキストとスクリーンショット(いっぱい)で構成されています。あまりに笑いが多くて、本気で馬鹿にしてるのか?とも疑わせるけど、こんなB級映画を隅から隅まで観て突っ込みまくるのは並大抵の作業ではない。なんか愛を感じるんですよね。

"Q: The Winged Serpent" の項では、この映画の怪獣パートは別の映画のために作ったものではないかという仮説が披露されます。根拠は、ケツァルコアトルは作中で何度も”Plumed Serpent = 羽毛のある蛇”と呼ばれているのに、羽生えてないじゃん!というもの。そう、Qの見た目は翼竜のような爬虫類系の生き物なんです。

だから、仮説1はQの登場部分は過去に作ってお蔵入りになったフィルム(たとえば『マンハッタン翼竜パニック』なんてタイトルの)を使いまわし、ドラマ部分をちゃっちゃと撮って繋いだんじゃないかというもの。

仮説2は、もともとQに羽は生えてたんだけど、主演俳優に合わせるためにむしっちゃったんだというもの(・・・・・)

ともかく、私もこの話は二重構造だと思っていたので仮説1には納得です。それも『ペイルライダー』みたいに丁寧に重ね合わせたものじゃなく、怪獣話と人間ドラマを乱暴に貼っつけたものですね。

フィナーレを飾るのは"Hitler Meets Christ"。というか、筆者はモリアーティソンというくらいだからもっといっぱいレビューするつもりだったのが、これを観て破壊的なダメージを受けたのでもうやらない、と宣言してる(笑) 確かにこの映画のラストシーンはさすがの私もヘナヘナとなりましたからね。

ただしこれもまたマニアックに1シーンごとに解説してあるから、カンニングに使えるいいものを見つけたと思ってます。やー、これでセリフ全部聞き取らなくてすむぞ!ありがとう!