歌うベン・ストーン2 "Ain't Nobody's Business" "Bad News Lovers"

 
この話はL&Oのエピソード4-3あたりをベースにした妄想です。ストーンはこのところ妙にいらいらしています。前の事件でもシフと意見が合わず、ロビネットの後に来た補佐も気に入らなくて辛く当たってしまいました。内側にたまったものを持て余していて、どこかで発散してやらなければおかしくなりそう。

ある日の仕事帰り、知らない間に、長いこと来ていなかったピアノのあるバーに足が向いていました。いつかのように知り合いに見つからないよう、しばらく飲んで客が少なくなるのを待ってから弾くことに。今日は本当に落ち込んでいるのでブルースな気分です。

俺にできることなんかない、言うこともない
どうせ誰かにけなされる
だったらやりたいようにやるさ
笑われようと知ったことか

ある日とつぜん思いついて
海に飛び込むことにしようが
誰にも関係ないってことさ


ブルースの名曲、"Ain't Nobody's Business If I Do" です。元曲はベッシー・スミス。ほかにもいろんな人の名演奏があります。
ジャズだと・・・・・ビリー・ホリデイ
ブルースだと(私のお気に入り)・・・・・オーティス・スパン
ブルースの王道・・・・・フレディ・キング
有名どころだと・・・・・エリック・クラプトン


演奏が終わってカウンターに戻ると、バーテンダーがグラスを出してくれます。

バーテンダー  店のおごりだ。

ストーン     どうも。

バーテンダー  実は、週末だけピアノを弾いてくれる奴を探してるんだ。あんたさえよけりゃ、オーナーに話してみるが・・・・・ジミーっていうんだが、知ってるか。

ストーン     いや。

バーテンダー  そうか。・・・いや実をいうと、あんたジミーにそっくりだからさ。兄弟でもおかしくない。最初は、やつがスーツを着て俺をからかいに来たのかと思ったよ。

          (間) 

バーテンダー  本当に弾いてみる気はないかい。

ストーン     (笑って首を振る)

バーテンダー  普段はジミーが自分で演奏してるんだが、ジョーンに・・・かみさんに赤ん坊が生まれそうでね。ま、あんたは見たところお堅い勤めのようだから無理かもな。

ストーン     すまないね。 (立ち上がる) ジミーにおめでとうと言っておいてくれ。じゃあ。


店を出て歩いているうちに、気分がよくなったようです。会ったこともないピアノバーのオーナーの幸せが伝染したのかも。明日、レイプ事件の評決が出たら、結果がどちらであってもキンケイドを首にするのはやめよう。夜空を見上げて、そう考える。



もう一曲・・・こちらは マイケルのオリジナル曲、アルバム Reaching Out から"Bad News Lovers" 。いつものような「ブルース進行のジャズ」ではなく、唯一ブルースそのものです。http://youtu.be/5k8HKrHxjps