ベン・ストーンの衣装棚

  
このところLaw & Orderのシーズン5〜6を見ていて思ったのがですね、マッコイがアウトドアっぽいコートを着てたりニットのネクタイだったり、法廷以外ではわりとカジュアルな格好をしていること。これって実生活の感覚では普通なんですが、それに比べるとストーンって極端にお洒落だったんじゃないかと思えてきました。

ストーンはたしかモリアーティと同じくダートマス大学の出身でしたよね?そのせいか、いかにもアイビーリーグ出身というトラッドスタイルを絶対に崩さない。懐中時計とかの小物もそうだし、スーツもタイもいつもピシっとしててお金かかってそうです。


あの調子だとクロゼットはすごいことになっていると思われます。
ちょっと失礼して、アップタウンにあるアパートメントを覗いてみましょう・・・・・

どれどれ。わりと片付いてますね。というか本以外のものがあんまり置いてないぞ。
さてクロゼットはどこだ?ありました、やっぱり広いウォークインクロゼットに衣装がずらりと並んでます。

アウターから見てみましょうか。オーバーコートは二種類あります。
まずトレンチコート。オープニングで襟立ててるくらいですから、トレンチコートはトレードマークみたいなものです。
暖かい日にはこれを左肩にひっかけて歩くことがある。

逆に寒い時にはものすごく着膨れていることがあり、コートの下に何を着ているのかと疑わせます。
薄手のライナーがついているのが見えることがあるけど、それだけではあのモビルスーツみたいな四角いシルエットは説明がつかない。
クロゼットにもそれらしいものは見当たりませんが、ダウンジャケットでも着込んでるんでしょうか。
もしや極端な寒がりで、冬の戸外での撮影ではお洒落設定は忘れてくれ、なのか。それはそれで可愛いけれど。

そしてハイウェストの細身なシルエットの黒いコートがあります。
これも襟が立ってるのがポイント。1-16でタキシードの上に着てたやつですね。
シーズン4終盤、4-16から後あたりで着ている黒いコートも同じものかも?最後の4-22『旧知の友』でのシフとのお別れシーンも黒コートですね。

スーツ。
Law & Order一スーツが似合う男(勝手に命名)。
背が高くてひょろっとした体型なので細身のスタイルも着こなせると思うけど、頑としてアメリカントラッドしか着ない。
数えたわけじゃないけど、シーズン1はスリーピース率が高い気がします。
懐中時計を見ながら交渉する場面がありそうな日は朝から考えてジレを着てくるんでしょうか?

色は濃淡いろいろのグレイと紺がずらりと並んでます。
無地が多いけど、かすかにチェックの織柄が入ってるのや、チョークストライプもあり。
あとタキシードもあります。そういえばシーズン3で「タックスを新調した」って言ってました。
2年ごとに作らないとラインが古くなるから・・・とか言ってたら嫌だなぁ。

スーツで不思議なのが4-8『過去から届いた挑戦状』で、スワンに1000万ドルの損害賠償訴訟を起こされ、自己弁護すると言ってシフに怒られるところ。
「アパートも、車も、クロゼットいっぱいの紺のスーツも全部とられるぞ」と言われます。
セリフは「紺のスーツ」なのに、字幕はなぜか「特注のスーツ」となってて、??と思ったのを覚えてます。
検事のお給料ってスーツ全部オーダーメイドにできるくらいなんでしょうか?
サイズ的にオーダーになっちゃうというんならうなずけるけど、そんな描写ほかにありましたっけ。

カーディガン。
寒がりさん疑惑を裏付けるような、最強お似合い&萌えアイテム。オフィスでジャケットを脱いで少しくつろいでいる場面で着用です。
色は何種類かあります。紺、霜降りグレイ、白っぽいケーブル編みの襟つき、グレイで縁の色が違うの、など。
これらを交代でオフィスに常備?どこにしまってあるんでしょうね。
机の引き出しを開けるとそこには書類じゃなくカーディガンがぎっしりなのか・・・?

シャツ。
ベーシックカラーの無地・ボタンダウン以外のスタイルは一枚もありません。表前立てが基本。こだわりポイントと思われます。

ネクタイ。
見事に全部トラッド柄です。だいたい渋い色のが多いですが、なかには真っ赤なのもあります。
ところでネクタイばっかり見てると思われてる私ですが、いつ緩めるかとそれだけ考えてるわけじゃありません(笑)時系列を把握するのにネクタイって便利なんです。場面転換したとき、ネクタイが同じなら同じ日、変わってれば別の日とわかるので。女性の衣装も使えますが、シーズン1−3はボーイズのネクタイがほぼ唯一の手がかりです。

サスペンダー。
画面に映る機会は少ないけど重要なお洒落アイテムです。
ストーンのサスペンダーは、クレイゲンがしているみたいな「ズボン吊り」では断じてない!
どれもちゃんとトラッド柄です。ネクタイとお揃いなこともあります。一番派手なのはレジメンタル調の赤いストライプかな。

靴。
サスペンダーよりもっと映ってないので、詳細を知る機会は少ないです。黒か茶、いつもぴかぴかに磨いてある。
1-16『欲望の奔流』で靴下をたくしあげているところは茶色のオックスフォードシューズに見えます。
ほとんどプレーントウと予測してましたが、正装用のストレートティップと、おや、ウィングティップも一足ありますね。どこへ履いていくんでしょうか。


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上の話、一か所だけ妄想が入ってまして、「ウィングティップの靴」です。いつもプレーントウしか買わないので、あるとき店員さんに「たまにはいかがですか」って奨められて買った。ごく地味なデザインなんだけど履いてみるとどうしても目立つ気がして、靴が気になってその日一日仕事にならなかったから二度と履いてない・・・というストーリーです。

あとはかなり事実です。この記事のために衣装ばっかり見るという苦行をやりました(馬鹿だわ・・・笑)。シャツだけチェックするつもりがつい台詞に聞き惚れてしまったりして、作業の効率は悪かったです。

はじめに書いた印象 ─ かなりお洒落 ─ は実証されましたが、しかしここまでトラッド一辺倒とは予期してませんでした。まったく、ラルフ・ローレンのモデルかっていうくらい。鬼検事のイメージがちょっと壊れた感じがします。でもまあ、お洒落とタフは両立しないわけではない(ロバート・B・パーカーのスペンサーを見よ)。

服装にかなりのこだわりが見られるのは、頑固な性格が表れているともいえます。マッコイと違って一年中同じスタイルなのは、力の抜きどころを知らず、妥協ができない、ある意味で幼い性格と解釈することもできるでしょう。それが最終的に志半ばで辞職するという悲劇につながったというのは、ちょっとこじつけだけど大きく外れてもないと思います。

手首を骨折したエピソード(2-13『知略の攻防』)でもボタンダウンのシャツにきちんとネクタイしていたのは謎です。いったいどうやって結んだのか(笑)

この中でネクタイ以上の萌えアイテムというと、サスペンダーがけっこう来るんですが、ただこれについてあまり語るとまたマニアックになるのでやめておきます(笑)やっぱりストーンはカーディガンで決まりです!