Law & Order 1-18 The Secret Sharers  「報復と制裁」

 
シャンバラ・グリーン登場三回目ですが、途中でテキサスのベテラン弁護士、チェット・バートンに交代。その理由がはっきり説明されてなかったので、何かの事情で急遽キャストを入れ替えたのかなと思いました。このあと説明しますが、バートン役の俳優をゲストに呼ぶことが急に決まったのかもしれません。

このカウボーイ弁護士、カッコよくて味があるし、テキサス訛りでもってニューヨークびいきの視聴者を刺激する存在でもあり。アーサー・ゴールドみたいに名物弁護士になってほしいと思いましたが、出演は一回きりのようでした。

ストーリーはリィンさんの記事が詳しいです。イースト・ハーレムで銃声3発、次に4発。撃たれたのは麻薬の売人。股間を撃たれていたことからグリービーは怨恨を疑う。若い女と教会の神父が登場。妹が暴行を受け入院していた。銃のつながりで姉を逮捕。妹のボーイフレンド逮捕、起訴。

ストーンとグリーン、またテンポの速い会話です。心神喪失よ。君のことか(嘲笑)。謀殺なんてありえないわ。7発撃って?3日経って?陪審は同情するわ、危険行為で。まさか、故殺1で3年。いや故殺2よ。十戒は「殺すなかれ」だ、「いい人間だけ殺すなかれ」じゃない。エピソード2と同じパターンでまた復讐を殺人として裁こうとしてます。正しいんだけど陪審制度のもとでは難しい。シフは取引を指示。

ここで唐突にグリーン解任、ダラスのやり手弁護士チェット・バートン登場。ストーン警戒するかと思ったら妙に友好的です。刑事事件で負けたことは一度もないと豪語するバートンに、珍しく歯を見せてにっこり笑う「ここはテキサスじゃありませんよ」。

バートンの存在感が半端ないのと、ストーンの反応が不思議だったので、役者さんについて調べてみました。J.D.キャノンはベテランTV俳優で、『警部マクロード』(知らないけど)の上官役が有名らしい。IMDbにはステットソン帽のマフィア姿。『アンタッチャブル』かな?鋭い面差しがかっこいいです。このL&Oエピソード撮影当時69歳、これを最後に引退したそうです。2005年死去。

なるほど、ストーンの笑顔はキャノンに対するモリアーティのリスペクトであろうと思いました。

翌朝、ストーンは法廷の外でバートンに出会う。あいかわらず楽しそうに、テキサス訛りを真似してロデオのジョークとか交わしてます。再度にこりと笑うと、ストーンじゃない他のキャラクターの面影が出ます(Bang the DrumとかQとか)。

復讐は正義か、殺人か。検察にとってはエピソード2の二の舞になるんでしょうか。それともさらに悪い結末でしょうか。法が社会正義を保つためにあるのなら、そして復讐が社会正義を保つなら、法が復讐を認めてもいいのでは?

陪審の協議が長引きます。3日目の朝、ストーンがオフィスに来るとシフが待ってました。何が言いたいのでしょう。先制攻撃で拗ねてみせるストーン。

ストーン       「言わんこっちゃない」とおっしゃりたい?  I hope you're not here to say you warned me.  
シフ          君は仕事を果たしたまでだ。         You did what you had to do.  
ストーン        やっぱり反対なんだ。             You wish I hadn't.

ビネット来る。悪い知らせぽいです。

シフ          私は言わんよ。                I'm not gonna say it.
ビネット       何をです?                   What?  
ストーン       「言わんこっちゃない」と。          He told me so.

シフは結果を心配しているだけで、ストーンを責めたいわけではない。それが分かっていながら甘えてぶつぶつ言うストーン、可愛いです。果たしてシフの危惧通り、評決は無罪。陪審長、インタビューに答えて「彼は殺意があったかもしれないけど・・・」そう思っても感情には勝てなかった。ストーンの言い分は、陪審がペテン(flim-flam)に騙されたのでなく、ペテンと知りつつ無罪にしたのが怖ろしいと。あいかわらず、ひとり感情よりも正義にこだわる孤独なストーンでした。